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第71期A級順位戦最終局「将棋界の一番長い日」

3月1日に行われたA級順位戦最終局。
挑戦も降級も決まらないという状況で迎えることとなりました。

挑戦権争いは羽生三冠と三浦八段の2名。
こちらは星が並んだ場合、プレーオフとなります。
残留争いは谷川九段、高橋九段、橋本八段、深浦九段の4名。
星が並んだ場合は、順位が上の棋士が良い順位となります。
羽生三冠の2年連続挑戦、谷川九段のA級以上31期連続在位の継続、深浦九段の初残留なるか等が注目だったと思います。

一番早くに終局となったのは、▲橋本八段-△羽生三冠戦でした。
戦型は先手中飛車、というよりも先後逆のゴキゲン中飛車という感じでしょうか。
▲5四歩で戦火が上がり、角交換から先手の飛車が動く展開に。
攻めたり受けたりの戦いでしたが、形勢は少しずつ後手に傾いていきました。
最後は指し切りに追い込まれた橋本八段が投了。
78手まで羽生三冠の勝ちとなりました。終局は22時11分。
羽生三冠は8勝1敗、橋本八段は2勝7敗となりました。
これにより、羽生三冠の名人挑戦と橋本八段の降級が決まりました。
名人挑戦が決まり、降級は谷川九段、高橋九段、深浦九段の中から1人となりました。

2番目に早く終局となったのは、▲渡辺竜王-△郷田棋王戦でした。
棋王戦五番勝負は1勝1敗の五分。ここは勝ち、いいイメージを持って第3局に臨みたいところでした。
戦型は郷田棋王が2手目△8四歩として相矢倉へ。
私の知る組み方とは少し違っていた気がしましたが、よく指されている形となりました。
昼食休憩の時点で74手進むという早いペース。
郷田棋王は80手目△2二玉に3時間19分の考慮と、長考派の面目躍如といった感じです。
渡辺竜王が攻め続け、検討では先手良しと言われていた気がするのですが…。
逆転ムード、そして△8六桂からの郷田棋王の反撃開始。
8筋の集中砲火を決め、渡辺竜王が投了。
130手まで郷田棋王の勝ちとなりました。終局は23時16分。
郷田棋王は6勝3敗、渡辺竜王は5勝4敗となりました。
この対局は挑戦・残留争いには関係ありませんでした。

3番目の終局となったのは▲屋敷九段-△谷川九段戦でした。
屋敷九段はA級順位戦でこれまで先手全勝の実績。
自力ではありますが、敗れれば一気に危なくなる谷川九段にとっては嫌なデータだったと思います。
戦型はゴキゲン中飛車となりました。
屋敷九段は超速▲3七銀で対抗し、互いに穴熊囲いへ。
6筋に飛車が向かい合い、戦いが始まりました。
この対局はテレビで見ており、▲2九飛に「なるほどな」と感心しました。
形勢は難しいと言われていましたが、駒得の屋敷九段が次第に優勢に。
囲いは手付かずに近いですが、見込みなしとして谷川九段が投了。
117手まで屋敷九段の勝ちとなりました。終局は0時12分。
屋敷九段は5勝4敗、谷川九段は2勝7敗となりました。
この時点で2勝止まりが2人以上となったため、既に3勝を挙げていた深浦九段の初残留が決定しました。
残留争いは谷川九段と高橋九段の2人に絞られました。
高橋九段が勝てば残留、敗れれば谷川九段が残留という形です。
残留が決まった深浦九段も、挑戦がなくなった三浦八段も他対局の結果は知る由もなく目の前の一局に向かうという心境だったことでしょう…。

4番目の終局は▲深浦九段-△佐藤王将戦でした。
戦型は一手損角換わり。
王将戦で指されているダイレクト向かい飛車になるかと思いましたが、深浦九段は▲2四歩と突っ掛けて乱戦となりました。
一段落して駒組みに。深浦九段の端攻めを合図に、再び戦いへ。
先手玉は裸、左右どちらへも行けるという構えでしょうか。
形勢は後手良しになりましたが、深浦九段は辛抱強い指し回しで有名。簡単には折れません。
残留が掛かっていますから尚更ですね。
対局中に深浦九段は残留が決まりましたが、知らぬとばかりに指し続けます。
後手玉も危ない形になりましたが、最後は即詰みで深浦九段が投了。
114手まで佐藤王将の勝ちとなりました。終局は0時33分。
佐藤王将は5勝4敗、深浦九段は3勝6敗となりました。
感想戦は検討がされている控室で行われましたが、深浦九段は感想戦終了後まで残留を知らなかった様子。
「充実感はありませんが…」というコメントが印象的でした。

最後の終局は残留争いの▲高橋九段-△三浦八段戦でした。
戦型は横歩取りですが高橋九段は横歩を取らず、三浦八段が取る形となりました。
高橋九段が攻め、三浦八段が受ける展開。
途中は先手良しと言われていたものの、いつの間にか後手良しへ。
しかし敗れればその瞬間に降級のベテラン高橋九段、8筋にと金を作り勝負形に持ち込みました。
対局中に橋本八段と谷川九段が敗れ、勝てば残留となりました。
高橋九段が最終盤詰ましに出るものの三浦八段にきわどくかわされ、最後は即詰みに討ち取られて投了。
128手まで三浦八段の勝ちとなりました。終局は0時55分。
三浦八段は7勝2敗、高橋九段は2勝7敗となりました。
終盤先手の勝ちがあったとか…。
2人目の降級は高橋九段に決まり、こうして「一番長い日」は幕を閉じました。


羽生三冠の名人挑戦は2期連続ですが、登場は6期連続だとテレビで聞いて気が付きました。
ここ10年は森内名人と羽生三冠のどちらかが名人という状態が続いており、また1年延びることとなりました。
3年連続の森内-羽生の名人戦、結果やいかに。

降級となってしまった2人は他力、投了の瞬間に降級が決まります。
それを十二分に理解した上での投了は胸が詰まるものがありました。
勝負の世界は厳しいですね。
谷川九段が降級となれば事件だと思っていましたのでほっとしました。
B級1組で指す谷川九段は見たくないというのが個人的な感想ですかね。

来期は行方八段と久保九段がA級へ復帰します。
10人の戦いに目を離せないことは間違いありません。
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Author:ratify
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